皮革建材を普及させる上で大切なことの一つがデザインですが、皮革産業が盛んなヨーロッパなどに比べると日本はまだまだその分野でのデザイナーが少ないのが現状です。プロジェクト実現のためには、木と皮革による建材という新たな領域におけるデザイナーの創出は不可欠です。
プロジェクト初の「天然皮革ドア」の開発は、そんな将来のデザイナー発掘の可能性を期待し、あえて住宅業界とは関係のないデザイン専門学校とのコラボレーションにより進めることにしました。若い学生の自由な発想や感性によるデザインを採り入れ、実現させましたが、今後こうした産学共同や異業種との連携も活動を広げるおおきな鍵になると思います。
今回のプロジェクトに共感して頂いた地元の製革業者や革のデザイン、加工業者、建具や内装、大工などの建築関連業者との連携を図ることで、素材の知識や特性、納め方などの技術を共有し、一般のお客様からプロに対してまで提案できる体制をつくっていきます。
住まいでの提案実績はホームページやSNS、情報誌、展示会等を通じて全国のビルダーや設計事務所といったプロ向けに発信していきます。ネットワークとノウハウを持つ当社が顧客と建築関連業者、皮革業者の間に立ち、求められるデザインや機能に応え、同時に施工方法やメンテナンス性などの技術も蓄積していき、普及拡大を図りたいと考えています。そして、木材産業及び皮革産業双方の活性化や、生産者や加工業者、デザイナーなどいった雇用の創出にもつなげたいですね。