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いごこちcase15 土間の在る暮らし

土間の在る暮らし

「暮らしを愉しむ道具箱」

玄関を開けるとモノに彩られた大きな土間とカフェのようなダイニングが広がる。ラフな素材で仕上げた内と外をつなぐ空間は、室内でありながら屋外のように自由に使えます。
趣味に、遊びに、仕事に。日用品を収納したり、コレクションや思い出を飾ったり、住み手の創意工夫で様々な使い方や表現ができる道具箱のような住まいです。

土間の役割。

かつて日本の住まいには無くてはならない生活空間であった「土間」。そこは靴を脱ぎ履きするための場所だけでなく、昔は火を焚いていた炊事場やお風呂場などの場所とつながっていたり、農作業で獲れた作物の仕分けや道具の整備など作業スペースとしても使われていました。土間は居住スペースから泥や水による汚れや、火による火災の危険性を遠ざけるための緩衝空間でした。
また、玄関扉から居住スペースまで一定の距離を保つことで、外部に対するプライバシー性を高めたり、訪問者を招き入れ会話を交わすコミュニティースペースとしての機能など、土間には様々な役割がありました。

住まいが高性能になり、今後暮らしの「豊かさ」がより求められる中、大きな土間のある住まいが増えつつあります。趣味や遊び、仕事にと多目的に使えるだけでなく、「外」と「内」との中間領域としての土間は、傷や汚れ、天気も気にせず気兼ねなく使えます。土間の在る暮らしが住み手の心にゆとりをもたらします。

土間の使い方いろいろ

趣味

コンクリート仕上げの土間は、靴の脱ぎ履きはもちろん、趣味のアウトドア用品や自転車などを、汚れや傷など気兼ねすることなく扱えます。壁面には自在にフックを付けることができる有孔ボードを設置。お気に入りのものや思い出のものを飾るディスプレイスペースでもあり、日用品の収納スペースにもなります。家族の成長に伴い、これから増えていく思い出や新たに始める趣味のものなどを、その時々の気分によってレイアウトを変えるのも愉しみのひとつに。

遊び

天気を気にする必要のない半屋外空間は、小さな子供にとって恰好の遊び場。キッチンに隣接しているので家事をしながらでも常に目が届いて安心です。
三輪車や縄跳びの練習をしたり、夏場は開口部を全開にしてビニールプールで水遊び、昔路地でよく見かけたような白線を土間に描いて「けんけんぱ」で遊ぶのもいいかもしれません。身近な場所でいつもお子様と触れ合い、成長を見守ることができる家族のコミュニティスペースです。

仕事

以前ネイルサロンで働いていた経験を活かして、将来自宅で仕事ができるスペースとしても計画。外部と内部の中間領域である土間をワークスペースとすることで、プライベート空間とつながりながらも程よい距離感を保ちます。
子育てや家事をしながらでも効率よく仕事ができる、そんなゆるくてちょうどいい職住一体の暮らしが生まれます。

Planning

玄関とLDKの間に約8帖のコンクリート土間を計画。趣味の物や家族の思い出などを自在にディスプレイできる壁や、学校の教室にあるような収納棚を設け、キャンプ用品や自転車のメンテナンス、子供の遊び場や奥様のネイルサロンスペースとしてなど多目的に利用できる半屋外空間としました。

土間から続くダイニングはキッチンをアイランド型とすることで開放性を高め、LDKと土間スペースを一体的につなぎます。お気に入りの小物や雑貨、家具をいつも身近に感じられるように、「隠す」よりも「見せる」収納計画で、ショップのような趣を感じさせる空間としました。

実験用シンクを利用したインダストリアル感のある洗面台。

コンクリートの壁で囲ったアイランド型キッチン。背面にはショップのディスプレイのような棚と収納を造り付けに。

LDKの床はナラの無垢材をヘリンボーン貼に。

キッチンの床はモルタル仕上げで空間にメリハリを。

物件概要データ
■ 加古川市 S様邸
■ 家族構成3人
■ 敷地面積:132.25㎡(40.00坪)
■ 1階床面積:59.00㎡(17.84坪)
■ 2階床面積:50.35㎡(15.23坪)
■ 延床面積:109.35㎡(33.07坪)
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