リビングの窓の向こう側には瀬戸内海のパノラマビューが広がる。四季の移ろいや時間の流れと共に刻々と変化するその表情と波の音が、住み手の心身を癒し、英気を養ってくれる。海を感じながらの暮らしは穏やかな時ばかりではない。時には波が荒くなり、潮風が激しく吹きつける日もある。それでも惹きつけられる魅力と計り知れない価値がある。
海の眺めと波の音で決めました。
土地探しのキーワードは『海』でした。大阪の街中で長年生活し、自然に触れ合いながらの暮らしに憧れ、海を臨める土地を探すことを決意。ご主人は船舶免許も取り、マリンスポーツを嗜んでいたこともある大の海好き。奥様もご実家が長崎の五島列島で、昔から海は身近な存在。ご家族で里帰りすることも多く、お子様たちも小さい時から海と触れ合ってきた。明石の方は全く土地勘がなかったというご家族。エリアは特定せずに、とにかく海を感じて暮らせる場所を探し求め、ついに思い描いていた立地に出会った。「そこから見える海の眺めと聞こえる波の音で決めました。」
テーマは『海を感じて暮らせる住まい』
住まいづくりのテーマは「海を感じて暮らせる住まい」。海が直接見えるように、普段家族が過ごすリビングは2Fに計画。リビングとつながる大きなデッキテラスにはソファを置きハンモックも吊れるようにした。「朝起きた時から喜びを感じます。どこを見ても好きな空間に囲まれて。遊びに来てくれた友人は皆このリビングからの景色を見て驚きます。」と奥様。
また、憧れの暮らしを実現したご主人は言う。「ここでは一日中南側の窓は開けっぱなしです。子供たちに自然を身近に感じて育って欲しいという想いもありました。海ですから穏やかな時ばかりではありませんが、そうした自然の魅力は感性を養うことにもつながると思います。ここからの景色が今後四季の変化でどう変わっていくのかが本当に楽しみです。」と。
これから叶えたい夢は、「ゴールデンレトリバーを飼って江井ヶ島の砂浜を一緒に散歩すること」とご夫婦は言います。そんなアメリカ西海岸のような優雅な暮らしのイメージに、ご家族の想いはあふれている。
白を基調とした内観に映えるネイビーの鉄骨手すり。一段下げてダイニングに座る家族と目線を合わせたキッチン空間。食器棚は透け感もあって収納力もある。リビングテーブル、ダイニングテーブル、書斎のテーブルは、ご夫婦が探されたウォールナットの一枚板を使用。眺めだけでなく、工夫されたインテリアも楽しく飽きのこない毎日をもたらしてくれる。
①広々2帖の洗面室。一面鏡とカウンターを設置し一度に複数人が準備できる。 ②おしゃれな小上がりの和室。冬は海を見ながら鍋パーティー。 ③ブルーのバーチカルブラインドと小窓から淡路島を望むリゾートホテルのような主寝室。 ④一枚板のダイニングカウンター。家族5人が一列で食事を取ることができる。 ⑤2-3Fを吹き抜けとすることで、LDKの奥まで明るさを確保。
Planning
階段室と2Fの吹抜けが、3層の空間を緩やかにつなぐことで、LDKを中心に家族の気配が伝わるように計画。さらに光や風を1Fから3Fまで上手く採り込めるように、階段をストリップ形状にしました。アイランド型のキッチンスペースは、家事をする奥様とご家族の目線が合うように床を一段下げ、5人家族で量の多い食器類も隠して収納できる食器棚を背面の壁に造りつけました。海の魅力と開放感を感じながら家族がつながる住まいです。
目の前に見える鉄骨の手スリがアクセントになっている広々とした玄関。収納下の間接照明が柔らかい光を演出。
足元に設けられたサッシから見える植栽。玄関からちょうど見える位置にあり、夜になるとライトアップされる。