リビングの天井を支える何本もの太い梁。「古木の販売会社に勤めている影響もあり、マイホームを建てる際は古木を使うぞと買い集めてきました。」とご主人。 床や柱はすべてクリや桜の木などの古木です。会社の職人さんたちの協力を得た手作りの家具も古材で統一し、全体に調和が生まれています。とはいえ、古木を使っ てくれる会社探しは長い間難航されたそうです。「感性の合う建築会社と建築士の方に出会えて本当に良かったです。」とご夫妻。
1階は主寝室とお風呂、2階はリビングとお子様2人の部屋。「マンションは薄暗く、電気は付けっ放しだったので、リビングは日当たりを重視し2階に希望しまし た。当時は収納も少なく、モノにうずまるかのように暮らしていました。今は快適で、子どもたちも駆け回っています。」と喜ぶ奥様。ご主人のお眼鏡にかなった逸 品の古材が、新築の家に重厚感と安らぎを与え、ご家族は暮らしを満喫されています。
data.姫路市苫編南 | S様邸 |
家族構成 | ご夫婦…2人 子供…2人 |
敷地面積 200.55㎡ 60.66坪 | 1階床面積 52.29㎡ |
建築面積 68.73㎡ | 2階床面積 64.59㎡ |
延床面積 116.88㎡ 35.35坪 |
キレイに整った新築の家は気持ち良いけれど、さらに数百年も経った古材を柱や梁として、部分的にでも取り入れると、家とぢてどっしりとした風格が付いたように感じるから不思議です。 「それは長い時を刻んできた古材ならではの重みでしょう」と、古材を専門に扱う「㈱コウエイ」の坂口周作社長は言います。同社の古材は兵庫や岡山 、鳥取、島根など、100年に渡って踏ん張 って建っていた家屋の元建材。各地で解体されて、毎月1200トンもの古材が同社へ運び込まれてきます。
数年前から「㈱コウエイ」には古材を住宅や店舗に一部活用したいと、建築業者や個人からの相談が頻繁に入り、古材の良さが改めて見直されています。今や古材は”魅せる”建材。和、洋風の空間 にもそれぞれ調和し、住まいに新たな趣を与えてくれそうです。
建材というより、今や意匠材として扱われる古材。ゴツゴツとした木肌、あめ色や黒褐色の濃い材色、曲がりやうねりを生かして製材されているものなど、様々 な個性があります。製材されてからも長い歴史を重ねてきた古材には、思わずその木肌にふれたくなる魅力があります。癒しとオリジナリティーの高い住空間を 演出したい際は、古材の活用もおすすめです。