2024.04.04
伊東 朋哉
こんにちは。住空間設計Laboの伊東です。
今回は、前回お話しした、快適な「換気」について、
実際に明石モデルハウスで使用した、換気システムをご紹介したいと思います。
明石モデルハウスの換気システムは、
前回おすすめした「熱交換換気システム」を採用していますが、
一般的な熱交換換気システムとは異なる、こだわりポイントがいくつかあります。
その一つが、地中熱を最大限に利用すること、です。
そのため、基礎部分にも断熱材を使用する「基礎断熱」という工法を採用しています。
床下によくある換気口は設けずに、
床下空間を室内空間と同じ温熱環境にしてしまう工法です。
基礎断熱した床下空間は、
直下の地中熱の影響を受けて、外気より夏場は涼しく、冬場は少し暖かく、
年間平均で大体13℃ぐらいの温度に保たれます。
これは、地中熱が普通の空気に対して、約1800倍もの熱量を持ち、
床下空間の空気を冷やしたり、暖めたりしてくれるからです。
この地中熱の恩恵を最大限に利用するために重要になるのが、基礎の計画です。
明石モデルハウスでは、
外から床下に取り込んだ空気を、床下内でできるだけ室温に近づけるために
できるだけ空気が長い距離を移動するように基礎を計画しました。
外から取り入れた新鮮な空気は、
床下内を約25mもの距離を移動し、室内に給気されます。
床下をぐるぐると長く移動させることで、外から入った空気の温度が
夏場は少し冷やされ、冬場は少し暖められるのです。
↓実際に施工した基礎の写真です。
床下で暖められた(冷やされた)空気は、
換気ダクトを通って室内に排出されますが、
ここでまたこだわりのポイントがあります。
次回はこの換気ダクトで行う「熱交換」についてお伝えしたいと思います。