2024.01.20
伊東 朋哉
こんにちは。住空間設計Laboの伊東です。
前回までお伝えしました、「気密(防湿)施工」について、
Laboが提唱する「建築物理学に基づく快適な住まいづくり」を形にした
明石モデルハウスでの施工のこだわりポイントをお伝えしたいと思います。
気密(防湿)施工は、
気密・防湿シートと呼ばれる薄いフィルムを、外壁に入れる断熱材の内側に貼るのですが、
重要なポイント一つは、シートを途切れることなく連続して貼る。ということです。
以前にもお伝えした通り、湿気の基となる「水蒸気」の粒子は非常に小さいため、
少しでも隙間があれば、自由に移動し、壁の中に入り込むと
今のような寒い時期には、壁内結露が生じてしまいます。
しかし、このシートを隙間なく、連続して貼るというのは、
実際は結構難難しい作業となります。
なぜなら、外周部の内側の壁には、照明やコンセント、スイッチなどの
様々な配線、スイッチやコンセントボックスが壁を貫通したり、
シート同士の継ぎ目も一定間隔でできるからです。
こうした、貫通部の隙間の処理や、継ぎ目は、
「気密テープ」と呼ばれる専用のテープを貼って処理しますが、
現場の大工さんや電気屋さんがこれを手作業で行うため、
一見、きれいに貼れているように見えても、
少し浮いてたり、目には見えない隙間があったりと
完璧に施工するのは、なかなか至難の業です。
もちろん、丁寧に時間をかけて隙間なく貼ればよし。ということになりますが、
一番は、こういった貫通部や隙間をつくらない(計画しない)ことが大切です。
明石のモデルハウスでは、
このような気密(防湿)シートの貫通部や継ぎ目をつくらないように、
コンセントやスイッチは可能な限り、外周部の壁は避けて計画しました。
例えば、下の冷蔵庫のコンセントは外壁側に設けず、横の壁に計画したり、
通常、外周部の壁に計画することが多い、エアコンのコンセントは
天井に設置するなどしています。
また、気密(防湿シートについては、
一般的にはロール状になった巾1m~2mのモノを、縦に貼り、
シート同士の継ぎ目は、気密テープを貼って処理するところを、
明石モデルハウスでは、巾3mのロール巻の気密(防湿)シートを横貼りしています。
巾3mであれば、1階、2階とも、断熱材を入れる床から梁までを覆うことができ、
横方向に連続して貼るため、縦の継ぎ目が発生しません。
こうした気密(防湿)施工によって、湿気が壁内に入り込むのを防ぎ、
快適な室温の維持と、住まいの耐久性を高めています。
Laboが提唱する「建築物理学に基づく快適な住まいづくり」
是非、現地でご体感ください。