2023.06.23
伊東 朋哉
こんにちは。住空間設計Laboの伊東です。
梅雨真っただ中のこの時期、湿気が不快でエアコンの運転時間も多くなっているかと思います。
今日は、快適な室内の温熱環境についてお話ししたいと思います。
わたしたちが、室内で快適や不快と感じるのは「体感温度」の違いによるものですが、
この体感温度は、室内の「温度」だけではなく、
今のような梅雨時期には高くなる「湿度」によっても大きく変わります。
たとえば、私も大好きなサウナ。
よくあるサウナは、80℃を超える温度設定になっていますが、
非常に乾燥している状態になっているため、中にいることができます。
一方、蒸気や霧を室内に充満させるスチームサウナやミストサウナが、
40℃~60℃ぐらいの温度設定になっているのは、
それ以上の温度になると熱くて入ることができないからです。
このように、体感温度は温度だけでなく、湿度も影響することが分かります。
温度と湿度との関係によって、空気が持つ「熱量(エネルギー量)」が決まり、
この空気が持つ「熱量」が体感温度を左右します。
この空気が持つ単位当たりの熱量のことを、比エンタルピーといいます。
同じ温度でも湿度が高くなるほど比エンタルピーは大きくなり、
感じる体感温度も高くなります。
温度と湿度、比エンタルピーの関係は、
【湿り空気線図】で確認することができます。
下の【湿り空気線図】をご覧ください。
横軸が温度、曲線が相対湿度を示します。
例えば、10℃かつ湿度100%の状態と、30℃かつ湿度0%の状態は、
比エンタルピーが同じであることから、体感温度も同じといえます。
それでは、快適な体感温度にするには、温度と湿度はどれくらいにすればいいのか?
次回は、快適な体感温度となる、比エンタルピーについてご紹介したいと思います。