鳥取屈指の材木市場で原料となる原木を仕入れます。木の断面から樹齢や強度、きれいな杢を持っているかを判断します。重要なのは伐採時期。新月に伐採された樹はその影響で虫の被害や腐りがないといいます。自然界の神秘さを感じます。
原木の皮をむき、柱や板材などに切り出す作業を行います。展主と熟練の腕を持つ職人が、木の個性や木目という木の「顔」にこだわり、木取りしていきます。木の持ち味が最大限に引き出された、個性豊かな製材が生まれています。
乾燥によって生じた「くるい」を調整するため、製材機械に何度もかけて、仕上げを行います。美しい経年変化を遂げた美しい杢目が現れ、木の繊維を損なわない自然乾燥の良さを実感します。10年近い歳月と手間を経て、やっと建築現場へと運ばれていきます。
機械による人工乾燥ではなく、木材に負担をかけない、太陽、風、雨の自然の力で乾燥させていきます。屋外に外皮を付けたまま積み上げ、雨風にさらして、木の中の樹液や水分をしっかり抜き、良材に育て上げます。この状態が4~5年続きます。
製材した採材を再度、屋外で自然乾燥させ、樹液とアクをさらに抜いていきます。風が通るように桟木を置いた上に材木を積み上げ、半年に1度は置き場所を変えます。原木の乾燥と同様、この過程に4~5年を費やします。